ミラノサローネから10年。
今日からミラノサローネが開催した。ミラノサローネは世界で最も大きく、重要なデザイン展示会。毎年この時期4月に開催される。
自分がミラノサローネのサロンサテリテに展示したのはもう10年前。 10年前の展示はミラノサローネでの2回目の展示だった。一回目は2001年。この10年間本当にたくさんの事が起こったし、色々な事が変わった。
自分はここ6年ほどサローネには行っていない。。。それまでは毎年、展示した時に知り合った友達やデザイナーによく会っていた、仲のいい同士の同窓会みたいな感じがあった。でも、そういう仲間にも会える事が非常に少なくなった。。。とても悲しい事だが、10年は非常に長い時間だ、色んな事が起こる。
その当時は日本人デザイナーが展示をしているはそれ程多くはなく、日本人の来場者もそんなに多くはなかった。最近のミラノサローネはそこらじゅう日本人デザイナーだらけだし、日本からの来場者も非常に多い。また日本企業の展示もとても多くなって来た。
一昔前、10年ほど前まではネットデザインマガジン、デザインブログなどはそれ程なく、デザイン雑誌に載せてもらう事が非常に重要だった。そしてデザインマガジンに載せてもらうのは、世界中から素晴らしいタレントが集まったミラノサローネでは難しいことだった。 そして、デザインマガジンに載せてもらう事は若いデザイナー達にとっては、世界中からタレントハンティングに来ているデザインブランドや企業と話すことが出来ること同じぐらいラッキーな事だった。そして若いデザイナー達は争ってそのチャンスを狙う。
2回目の展示はラッキーな事にアメリカに本社のある合板メーカーFORMICAのスペイン支社のスポンサーシップを受ける事が出来、プロタイプ代、旅費、食費などをカバー出来た。FORMICAのお陰でホテルに泊まる事も出来た。市内からバスで1時間も掛かる所にあるホテルだったが、この時期のミラノはすべてがベラボーに高い。最初の時は友達の友達の家のソファに寝させてもらっていた。その年は全くお金がない状態で無理して24時間かけて電車でミラノまで行った。飛行機に乗れなかった。食費もろくに無く、サローネの期間中1週間で7キロ程痩せた。。。
普段は床材や壁材などで使われるFORMICAの合板を使ってプロトタイプは全部自分で作成したが、満足の行く、大変完成度の高いものも出来た。自分のスタンドの壁も床もFORMICAの合板を使わせてもらい豪華なスタンドが完成した。。。
自分のデザインは数カ国のデザイン雑誌に掲載してもらった。そしてアメリカのThe Financial Timesにも掲載してもらった! これで貧乏生活ともおさらば!と思ったけど、人生それ程甘くはなかった。。。
そして2回のミラノでの展示の経験を踏まえて、自分のやりたいデザインを誰にも干渉されずに自分で生産、販売出来る自分のブランドDesignCodeを立ち上げた。
10年経っても挑戦はまだまだ終わっていない、まだこの先もずっと続きそうだ。でもそれが自分の望む道、自分が幸せになる為の手段!
この10年本当に多くの苦楽の出来事があった。 この先の10年も本当に楽しみだ!